薬剤師おすすめ本

【感想】「薬剤師のための基礎からの検査値の読み方」で検査値の活かし方がわかる!薬剤師おすすめ本

こんにちは。派遣薬剤師のひでです。

検査値の理解をもう少し深めたい・・

検査値をマスターしたいと思い立ち

僕はいつもじっくり本を選ばせてくれる(座り読みOK)の本屋に立ち寄り検査値関連の本を片っ端から読んでいました。

そして出会ったのが

薬剤師のための基礎からの検査値の読み方 臨床検査専門医×薬剤師の視点」(以下「基礎からの検査値の読み方」)です。


 

  • 監修・編集:上さこ俊法
  • 編集:森嶋祥之
  • 出版社:じほう
  • 発行日:2018年9月25日 2019年3月10日第3版発行

たくさんの検査値の本をみましたが「基礎からの検査値の読み方」はかなりクオリティの高い1冊でした。

検査値についてかなり深くまで理解できる本です。

検査値の意味についてはどの本も書いていますが

「基礎からの検査値の読み方」は検査値の活かし方まで書いてあります。

さらにケーススタディで検査値の活かし方を身につけるところまでサポートしてくれているのでかなり有益です。

ケーススタディも1つの検査値だけ異常があって「どんなことが考えられるでしょう?」

ではなく複数の検査値に異常がある複合的な例を挙げてくれているので実際に考えるトレーニングにもなりました。

控えめに言って絶対目を通しておくべき1冊だと思います。

この記事でわかること

・「基礎からの検査値の読み方」はこんな人におすすめ
・「基礎からの検査値の読み方」の感想や口コミ

ちなみに他にも薬剤師のおすすめ本をまとめているので合わせて読んでみてください。

【目的別】薬剤師のおすすめ本12選【スキルアップに役立つ】こんにちは。派遣薬剤師のひでです。 今日は薬剤師のスキルアップに役立つおすすめ本を紹介します。 こんな風に思う方って...

「基礎からの検査値の読み方」はこんな人におすすめ

「基礎からの検査値の読み方」がおすすめな人はこんな人です。

  • 検査値について深く知りたい
  • 複合的に考えて検査値を解読したい
  • 知識を得るだけでなく活かすところまでしたい
  • どれくらいの検査値異常でどんな対応をするか知りたい

といった感じです。

「基礎からの検査値の読み方」は

  • 基礎知識を身につける第1章
  • 症例解析トレーニングの第2章

に別れています。

そして基礎知識を身につける第1章はそれぞれの検査値に対して3ステップで基礎知識を学んでいく構成になっています。

例えばASTについてだと

  1. ASTの基礎知識
    (ASTの意義、ASTを読むポイント)
  2. ASTの患者指導
    (聞かれた時に説明するポイント)
  3. 実際にASTを読んでみよう
    (簡単な練習問題に挑戦する)

といった感じです。

検査値の意義だけ並べられていても教科書的で淡白な知識になりがちです。

検査値を読むポイントや患者指導について書いてくれていると実際に活かせる「使える知識」になっていき、より深くまで検査値を学ぶことができます。

さらに実際に簡単な練習問題を解くことで「分かった気」になるのを防いでくれ、次の章での症例解析トレーニングにスムーズに移行できるよう知識定着の第一歩をサポートしてくれます。

症例解析トレーニングでは複数の検査値に異常のある症例で練習していくので

検査値の知識を複合的に使い、その共通項から病態を見抜いていくトレーニングができます。

現場では単一の検査値にしか異常がない場合は少ないのでとても実践的だと思います。

さらに「検査値を読むポイント」の項目では

検査値がどれくらいの値になったらどのような対応をとるか」といったことも学ぶことができます。

例えばBNPを例に挙げると

  • BNP=35の場合は?
  • BNP=80の場合は?
  • BNP=200を超えたら?

(単位はpg/mL)

などグラフにして解説されています。

「BNPは18.4pg/mL以下なら正常」と覚えているだけでは十分でない場合も多いので異常値の場合の対応まで書かれているととても便利です。

派遣薬剤師ひで
派遣薬剤師ひで
異常値に対する緊急度も感覚的に理解できるようになるね

「基礎からの検査値の読み方」の感想

「基礎からの検査値の読み方」の感想としては

検査値をマスターするために考え尽くされた本」だと感じました。

まず第1章の基礎知識編では多くの書籍では「検査値の意義を解説する」といった内容であるのに対し

「基礎からの検査値の読み方」では簡単な練習問題も組み込まれています。

今得た知識を軽くアウトプットすることで自然と知識が身についていきます。

学ぶところから定着するところまでサポートされているのがすごいです。

さらに第2章の症例解析トレーニングの構成も秀逸

  1. 「どう読む?」の項目でまずは異常のある検査値を洗い出しプロブレムを明確にします。
  2. 「どのような病態?」で異常値から疑わしい疾患を明らかにします。
  3. 「病態をさらに読み込むと何が見える?」でさらに異常値を深堀りし、意味まで理解した判断力を養います。
  4. さらに「薬剤師は次に何をする?」の項目で主治医との相談内容など実際の薬剤師の行動を示します。
  5. 「専門医からのアドバイス」ではどのように考えると正確に症例を捉えることができるか、といった考え方が学べます。
  6. 最後に「症例解析フローチャート」で正しい答えにたどり着くまでの「思考の道筋」を整理してくれています。

どうでしょう?かなり完璧じゃないですか?

至れり尽くせりの構成で驚きの有益さです。

本気でおすすめの1冊だと思います。

「基礎からの検査値の読み方」の口コミ

「基礎からの検査値の読み方」の口コミを1件だけですが見つけたので紹介します。

薬局勤務薬剤師です。検査値の勉強するにあたり購入しました。一般的な説明に終わらず
具体的に薬剤師として気にかけるべき事柄も書かれており大変勉強になります。検査値と症例と服用中の薬剤から副作用疑いの場合や
どのように患者に説明したら良いか等も書かれており良いと思います。 Amazonレビュー

 

「基礎からの検査値の読み方」の感想まとめ

「基礎からの検査値の読み方」の感想をまとめると

  • 検査値の活かし方まで学ぶにはこの本一択
  • 練習問題もあり知識が定着する工夫もされている
  • 症例解析トレーニングで検査値の意味まで考えた判断が学べる
  • どれくらいの値でどのような対応が必要かといった感覚を養える

といった感じです。

とにかく圧倒的にわかりやすく、隅から隅まで行き届いた良書なので

なけなしのお小遣いを振り絞ってでも買う価値がある本だと思います。


 

薬剤師のための基礎からの検査値の読み方 臨床検査専門医×薬剤師の視点

ちなみに薬剤師用ではなく全医療者向けですがAmazonベストセラーはこちらです。


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