こんにちは。派遣薬剤師のひでです。
「薬剤師のスキルアップに良い本はないかな・・」とたくさんの本を読んでいた僕ですが
今回は少しユニークな本に出会いました。
「どんぐり未来塾の薬物動態マスター術」(以下「薬物動態マスター術」です。
- 監修:菅野彊
- 編著:佐藤ユリ、麻生敦子
- 出版社:じほう
- 発売日:2016年9月30日 2019年9月10日第2版発行
数々の著書やe-learningの講義でもお馴染みのどんぐり工房の菅野彊さん監修の本ですね。
「薬物動態を日常業務に活かす」という本はいくつかありますが、まだまだ数としては少ないので貴重な存在です。
薬剤師は薬物動態学を学んでいる数少ない医療従事者なので専門性を発揮する為にも一度読んでみると良いと思います。
ちなみに他にも薬剤師のスキルアップに役立つおすすめ本を紹介していますのでぜひ読んでみてください。
「薬物動態マスター術」はこんな人におすすめ
「薬物動態マスター術」をおすすめしたいのは
といった方です。
薬物動態の知識を日常業務に活かせる場面はそれほど多くはないかもしれませんが
「薬物動態の知識がないとどうにもできない」場面がありますよね。
大学で学んだ知識を
- 錆びさせない
- 思い出す
- 業務に活かせる実践的な形にブラッシュアップする
日頃からこんな努力をしておけばいざという時正確な判断を下す助けになります。
在宅医療が進み、往診に同席する場面が増えたり
対人業務の強化で患者さんと話す機会が増えたり
これから薬物動態の知識を必要とする場面はさらに増えて行きそうですね。
そんな状況を踏まえて「薬物動態を学びたい薬剤師」におすすめの1冊です。
「薬物動態マスター術」の感想
「薬物動態マスター術」を読んだ感想としては
薬物動態学で学んだ知識を日常業務に使える形に変えてくれる本だと思いました。
簡単な例で言うと半減期です。
薬剤師であれば誰もが言葉は知っていると思いますが
- 半減期を使って定常状態がある薬剤か無い薬剤か判断する
- 半減期を使って定常状態に入るまでの時間を計算する
- 半減期を使って薬剤の血中からの消失にかかる時間を計算する
といったことを考えたことのある人、計算方法がわかる人は意外と少ないと思います。
知識自体は薬物動態学で学んでいるはずなので
その知識を日常業務に使える形に変える必要があります。
定常状態があるか無いかによって同じ半減期の薬でも効き始めるまでの時間が違います。
薬を切り替える時など薬剤がどれくらいで体から消失しているか計算が必要になる場面があるかもしれません。
「だいたいこれくらい」でも支障は無かったかもしれませんが
正確に判断を下す為に薬物動態の知識を活かせる形で身につけておくことは必要ですよね。
「薬物動態マスター術」ではそのあたりについても丁寧に解説してくれています。
その他にも
テルミサルタンを20mgから40mgに増やしても血圧下がらなかったのに40mgを80mgにしたら急に下がった。
という患者さんの例をあげて薬物動態の仕組みを解説したり
- 腎機能低下患者への薬物投与設計
- 授乳婦への投与量計算
- 副作用が起きた場合や透析の例
などの場合について「どこでどのように薬物動態学の知識を使うか」わかりやすく解説されています。
- 薬物動態の知識普段全然使っていない
- もう薬物動態忘れてしまった
- 薬物動態の知識の活かし方がわからない
など、どの段階の方も一度目を通しておくと日常業務の見え方が少し変わると思います。
「薬物動態マスター術」の口コミ
Amazonの口コミ1件だけですが載せておきます。
分かりやすく、動態だけでなくそれを生かすための副作用機序別分類についても学ぶことが出来てよかったです。大判なので、移動中に読むには少し不便でした。 Amazonレビュー
「薬物動態マスター術」の感想まとめ
「薬物動態マスター術」の感想をまとめると
- 日常業務で薬物動態を活かしたい方におすすめ
- 例をあげてそれぞれのケースでどのように薬物動態を使うかがわかる
- 薬物動態を活かすと「なんとなく」ではなく根拠を持って判断できる
といった感じです。
薬剤師の特権である薬物動態を活かして一歩進んだ日常業務を実現しましょう。
薬物動態以外もスキルアップおすすめ本を見たい方は合わせて読んでみてください。