こんにちは。派遣薬剤師のひでです。
「薬剤師にスキルアップに役立つ本はないかな」と本屋で立ち読み(立ち読みOKのところ)しまくっていた僕ですが
そんな時に出会ったのが
「この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる同効薬比較ガイド」(以下「同効薬比較ガイド」です。
- 編集代表:黒山政一
編集:明石貴雄、厚田幸一郎、片山志郎、高橋美由紀、平山武司 - 出版社:じほう
- 発売日:2017年12月28日
同効薬の比較って薬剤師であれば誰もが気になるところですが
- 分かりにくい本が多い
- 比較できる薬についてだけ書かれていて網羅性が無い
- すぐに情報にたどり着けない
といった本が多いです。
この「同効薬比較ガイド」は
- 薬のカテゴリーごとに比較表があって分かりやすい
- 2冊でほぼ全ての薬のカテゴリーを網羅
- 比較表を見るとすぐに情報にたどり着ける
といった感じで使い勝手が良く、網羅性の高い本に仕上がっています。
悪いところもしっかり感想として書いているので気になる方は読んでみてください。
正直、個別の例について分かりやすく、深く知りたいのであれば薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100がおすすめですが
「網羅性を高めたい!」という方には「同効薬比較ガイド」は魅力的な本だと思います。
「薬局で役立つ薬の比較と使い分け100」の感想もあるので読んでみてください。
他にもおすすめの本をまとめた記事は薬剤師のおすすめ本にあります。
「同効薬比較ガイド」はこんな人におすすめ
「同効薬比較ガイド」がおすすめな人は
- 表で一目瞭然に比べられるのが良い
- 同効薬の違いを網羅的に学びたい
- じっくり各薬剤の特徴についても学びたい
といった人です。
同効薬を比較した本はたくさんありますが
例えば「睡眠薬」の項カテゴリーを読むにしても「比較されてる薬が順番に出てくるので全ページ読まないと把握できない」といった本は多いと思います。
「同効薬比較ガイド」はカテゴリーごとに比較表が出てくるのでそのページを読めば一目瞭然です。
もっと言うと比較表の中に「特徴」の項目があるので極端な話そこだけ読めば薬の特徴が分かり、使い分けが分かります。
比較している薬のカテゴリーも
- 睡眠薬
- 抗不安薬
- 抗てんかん薬
- トリプタン
- オピオイド
- Ca拮抗薬
- インスリン
- 抗血小板
など
全部で33項目に登りかなり網羅性が高いです。
さらに同効薬の違いや各薬剤の特徴、薬物治療までじっくり学びたい人は比較表以外の本文を読めばがっつり学ぶことができます。
まずは表で一目瞭然に同効薬を網羅的に学び、時間のあるときにじっくり細部まで学びたい人にかなりおすすめの2冊組みになっています。
「同効薬比較ガイド」で学べること・身につくスキル
「同効薬比較ガイド」で学べることや身につくスキルは
- 同効薬を手早く比較・選択できるようになる
- 同効薬の違いや各薬剤の特徴が理解できる
- 薬物治療の知識も深まる
- 薬の変更時、患者さんに適切な服薬指導ができるようになる
といった感じです。
比較表の「特徴」欄で各薬剤の特徴を理解するとそれに基づいて患者さんの状態に合わせた薬の選択が理解できます。
項目によっては
- 力価
- 効果時間
- 症状の改善率
- 再発率
が記載されている比較表もあるので患者さんの「ほんとに効くの?」「どの薬が強いの?」「どれくらい効くの?」といった疑問にも回答しやすくなります。
また各項目の本文を読んでいくと受容体の構造がイラストで書かれていて、受容体のサブタイプの効果の違いが説明されていたり、臨床試験の情報が書かれていたりするので薬物治療の知識も深まります。
「同効薬比較ガイド」を読んだ感想・良いところ悪いところ
同効薬比較ガイドを読んだ一番の感想は
「比較表が見やすくて手早く薬の特徴を知るのにめちゃ役立つけど情報量もしっかりあって表を読み込むだけでもかなり知識増える・・・」と思いました。←良いところ
同効薬比較ガイドの良いところはこの比較表に集約されていると思います。
僕は正直「手早く・見やすく・簡潔に」学びたいと思うので本文をじっくり読んでいくのは退屈なんです。
そんな僕でも表があると分かりやすくて読む気になりました。
表を見るために本を開いたときについでにそのカテゴリーの本文を少しずつ読んで理解していく感じで読みました。
一応読みやすい工夫もされていて
- それぞれのカテゴリー(「睡眠薬」とか)の初めに「押さえておきたい」の項目があって大まかな概要が掴める
- 「薬剤選択時はここに注目」の項目を読むと適切な薬剤選択方法が説明されている
といった構成になっています。
正直「押さえておきたい」は読んでも詳しいことがわからないので
結局本文や比較表を見る感じになりますしイマイチ上手くまとまっている感じがしなかったです。
「薬剤選択時はここに注目」の項目は
「患者さんの状況など考慮して適切な薬剤を選択することが必要」といった
抽象的かつ当たり前のことが書かれていることが多かったので個人的にはあまり参考にならなかったです。←悪いところ
総じて比較表の分かりやすさと情報量の多さ、2冊読んだ時の網羅性の高さはとても魅力だと思うので総じて読んでみる価値のある本でした。
さらに網羅されているカテゴリーも興味をそそるものが多かったです。
個人的に読む前から興味をそそられたのは
- オピオイド
- トリプタン
- インスリン
- 吸入ステロイド
- ニューキノロン
- ビスホスホネート
などです。
「血糖降下薬」や「睡眠薬」といった一般的なカテゴリーもありますが上で挙げたような一風変わったカテゴリーもあり、面白かったです。
「同効薬比較ガイド」感想まとめ
「この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる 同効薬比較ガイド」を読んだ感想をまとめると
- カテゴリーごとにある薬の比較表が秀逸
- 比較表の「特徴」を読むだけでも薬の比較に強くなれる
- 比較表を読み込むとかなりの知識量を得られる
- 網羅性が高く、選ばれている薬のカテゴリーも魅力的
- 「薬剤選択時はここに注目」の項目は内容が抽象的であまり参考にならない
- 総じて、薬の比較を網羅的に学びたい人に特におすすめ
といった感じです。
薬剤師としてスキルアップを目指している方は「この患者・この症例にいちばん適切な薬剤が選べる同効薬比較ガイド」一度読んでみるのがおすすめです。
他にも薬剤師のおすすめ本で薬剤師のスキルアップにおすすめの本を紹介しています。